バランス

終業式が終わり、
塾生たちが通知表をもらってきた。
評定が大幅に上がった生徒もいれば
そうでない生徒もいるのは
いつものことだが
中身のある反省をきっちりしてもらうことが
大事だと考えている。
 
同業者の中には
塾が何をしても通知表の結果には関係ないと
割り切ってしまう人もいる。
確かに通知表の評定を上げるというのは
テスト対策と違って
塾がダイレクトな対策を施すことが難しい。
しかし、塾の運営者の姿勢は
塾生の通知表の評定に露骨に現れると
私は考えている。
だから私は常日頃一貫してしつこく
彼らに学校の評定の重要性を説き
具体的なアドバイスをし
また時にはできる範囲で
彼らの学校の学習をチェックしてもきた。
もちろん、全員が成功しているわけではないが
全体的に見れば、
通知表の評定底上げには
多少なりとも繋がっていると思う。
 
この春、卒業した子たちを見ても
成績と比べて通知表の評定が悪いという生徒は
ほとんどいなかった。
(若干名の例外はあったが(苦笑))
ご存じのように、
定期テストが平均点ぐらいでも
5教科でオール4以上をとることだって
十分可能なのが、今の通知表の評価システム。
遡って過去の塾生たちを見ても
定期テストが300点台前半なのに
通知表の評定合計が40を超えた生徒が
何人かいた。
400点とれないが36以上という生徒は
特に珍しくない。
中2の途中まで通知表で合計20が
とれるかどうかという状態で入塾し
最終的に30くらいとれるようになった生徒は
何人もいる。
(もっとも、この場合はテストの点数も大幅上昇しているが)
 
だから私の前で
「点数があまり良くないから通知表が・・・」
という下手な言い訳は一切通用しない。
そんな前提のもと、ここ数日の授業では、
彼ら塾生たちに通知表の結果を
振り返ってもらっている。
特に、満足な評定がとれなかった生徒は
「真面目にやる」とかいう
意味のない反省でなく
具体的に何がどう足りないのか
何をすればいいのか
何をしてはいけなかったのか
きちんと振り返って
次の行動に繋げなければならない。
 
 
もちろん塾としては
彼らの学習の理解度を上げることが第一で
その成果としてテストで点数がとれるよう
導いていかなければならない。
しかし他方で
テストの点数だけが自己目的化して
学校の学習が疎かになり
通知表の評定が犠牲になるようでは
本末転倒だと、私は考えている。