この前の定員割れ高校の割合の話

この前ここで紹介した新聞記事が、これ(ちゃんと記事内容も引用して改めて別立てで書こうと思っていたのだが、なぜかネット仕様の記事が出てこないので、ネットに掲載されていた「紙面記事の検索」から記事を出して画像を引っ張ってきた)

(2025年4月19日(土)中日新聞朝刊の記事に載っていた表)

岐阜県が中部9県で最悪だというのも記事に書いてあった。
「岐阜県は面積が大きく山間部も多い県だから、県内全域くまなく高校にアクセスできるためには定員割れの公立高校の割合が最悪でも仕方がない」というのは、さらに面積が大きく山間部ばかりの長野県と比較しても割合が高いことを考えると、言い訳にはできないかもしれない。
南北に細長く過疎地を抱える三重県の割合がこの中でもっとも低いのも説明ができない。

以前も書いたように、(他県のことはよく知らないが)岐阜県に関しては何年か前に高校再編を先送りしてきたツケがまわっているのもあると思う。
何度も何度もしつこく書くが、「数年後には再編が必須だからそこでやる」と
いって数年前に再編検討プロセスを途中でやめたのはどうだったのだろう。

先送りしている間も進んだ少子化に定員調整の弥縫策で対応した結果、西濃地区は小規模校ばかりになった。
気がつけば、2025年春(今春)の募集で一学年7~8クラスある西濃地区の高校は北高と東高と工業高校だけになっている。
(他方、おとなりの岐阜地区は旧岐阜市内の5つの普通科高校がすべて8クラス以上ある(旧岐阜市内普通科と書くのは柳津の羽島北だけが6クラスだから))
他方で学年定員200人未満の高校が5校もあり、その少ない定員でもさらに定員割れをしている高校が多い。
ほとんどが数年前に再編の俎上に載せられた高校である。

小規模校については件の記事にも書いてあるとおり教員配置の問題から生徒が望む科目が開講できないデメリットがある。
他方で公立高校の役割を考えると、言い方は過激だがどんどんつぶして何でも効率化すればいいというわけにはいかないのも分かる。
そういう難しい課題に真正面から向き合わず、棚上げした結果が今日の募集状況になっている。
「待ったなし」をもうとっくに通り過ぎている。