あのー来年度からのことなんですけど・・・(高校授業料無償化の話)

ちっとも正式に決まらないのでそろそろこんなことを書こうかなと思っていたら毎日新聞が書いてくれた。


私立高無償化、本当に来春始まる? 進路選択にも影響、広がる不安 | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20250902/k00/00m/040/108000c

私立高校の授業料は本当に無償になるのか――。
 学校や進学塾など教育関係者の間で、そんな懸念がじわりと広まっている。自民、公明、日本維新の会の3党が2026年度から始めると合意した「私立高を含む無償化」について、制度の中身や予算の裏付けが、あと半年ほどに迫ったこの時期になっても見通せないためだ。
 すでに私立高では生徒募集に向けた説明会などを開催しており、文部科学省には「どういう制度になるのか」という問い合わせも複数寄せられているという。

 文科省内からは「本来であれば今の時期に制度を固めておきたいところだが、協議を見守るとしか言えない」との声が上がる。

 高校側からは懸念の声が漏れる。

 千葉県の私立高の入試担当者は「来年度の入学を希望する生徒の保護者に何も説明できず困っている」と明かす。


記事にあるのと同じように岐阜県内の高校もとっくに来年度の生徒募集に向けて動き出しているのに(当たり前。だいたいもう夏の高校見学は終わった。私立はどこでも秋の週末もやっているが)、政治のほうはまだ来年度開始の「合意」をしただけで高校授業料無償化の詳細を決めて制度を正式に発足させていない。
公式にはまだ来年度からのことは空白の状態。
最近では政権の行方が一段と不透明になってきたし、本当に始まるのかなと思って見ている人がいても不思議ではない。
十数年前、ときの民主党政権が始めた公立高校授業料相当分の全員無償化(考えてみれば今年度(2025
年度)の高校授業料に関する制度と似た内容だったか)は、自公両党への政権交代とともに制度が変わり所得制限がかけられるようになったという前例もある。
例えば今の政権が倒れたり今の政権と協力する政党の枠組みが変わったりして国の施策の中で高校授業料無償化の優先順位が下がれば(各野党は予算の必要な要求をそれぞれいろいろ突きつけている)どうかなってしまう可能性はあるのだろうかと思う人もいるだろう。
さすがに今さら卓袱台返しはないと思うが、正式に制度が発足するまではそれも断言できない。
というのも日本国内の話ではないが、1か月前に日米で「合意」したはずの関税率、日本にとって肝心の自動車についていまだに施行されていないしその見込みも立たないようだし、他の品目の関税率の取り扱いについても日米間に齟齬があるようなのである(これは明らかに異常か)

いま県内各私立高校さんも困っているところか。
実際ここまで聞いたところでは無償化に伴って入試制度や学費に関する制度を大胆にがらっと変更するという話は聞かない。
今春までの延長線上に授業料無償化が付け足される予定ですよという感じである。
既に今の段階で来春からの授業料無償化前提で進路選択をしている受験生(とそのご家庭)もいるだろう。
しかし、本当に無事に私立高校も含めた授業料無償化が実現したとしてそれに伴う競争に入るのは、受験生
側も高校側も様子見になる来春ではなく、再来年の春になるのかもしれないと思ってきた。

   

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